海外旅行の遠い思い出”ネコの絵”
古美術商の友達は、海外へ個人旅行する旅の達人。その彼の案内で、
2度目の海外旅行は、オランダ、ロンドン、フランス。関空で2人と合流した4人旅。
私の海外観光旅行は、この2回で終わりとなる。
彼に連れられて、パリ郊外へ。露天商だけの小さな蚤の市に着いた。
蚤の市が何処の場所か?降りた駅名も覚えていない。
お客も少なく、地元らしい人がほとんどの蚤の市。
そこで手に入れた品が、このガラス瓶とネコの絵です。
海外旅行の思い出の品に買った絵が、家に数点有る。
その内の1枚が、このネコの絵です。縦28㌢横23㌢の印刷物です。
ガラス瓶は、お尻に作者の”記し”が有る、高さが6㌢の手作りの小瓶。
このネコの絵は、印刷物であることは、買う時に判っていた。
露天商のオヤジさんは、エッチングや印刷物などを専門にしている。
値段も手ごろな商品全てが、初めて見るオリジナル品。
初めての場所。好きな絵が山済み。値段を見ながら選ぶワクワク感。
同じネコのシリーズの絵が有り、クローズアップした絵は、この1点でこれを選んだ。
作者がフランス人なのか?感性が面白い。ネコと飼い主の関係が可愛い絵だ。
私の家に訪ねてきた少し年上の女性が、この絵をご覧になられて、ニコニコ顔。
「家のネコがね!テーブルの下でジャレて、かわい~のよ。」
「この靴のラインは、フェラガモみたいね。」・・私には、強調された大根足が気になる。
見る人によって、絵の受け止め方が、それぞれ違う。印刷物を楽しめない人も居たりもする。
・・それで、いい。自由に好きに感じれば良い。それが絵の面白さ。醍醐味。
後々、知ったこと。
このネコの絵は、日本的な構図とフランス人の洒落気がミックスされている?
1867年、パリ万博により、異文化の日本ブームが起きます。
主に焼き物の伊万里に始まり、北斎や写楽などの版画の構図が
想定外の大胆な構図が、西洋の画家たちに衝撃だった。
北斎の「神奈川沖波裏」は、大波に呑まれそうな和船。その奥にメインの富士山を描く。
その描き方が、当時のパリの画家や工芸家たちに、大きな影響を与え
真似をしたり、作風も変えてしまう。